「運動会のかけっこーPart1」〜もり組のお便りから 

園長先生
かけっこ!ただ走るだけだけど、奥深い…

 

なかの幼稚園の運動会の取り組みで全学年にあるのが、かけっこです。でも「珍しい!」といわれます。

 

それは「走る人を自分で選ぶ」から。

 

小学校などでは、名前順やタイム順で「一回〇人ずつ」と決まってますよね。なかのでは、走るのは走る子が決めます。

そんななかのの、かけっこ。一番大きなドラマが起こるのが、年中組のようです。今回と次回、そんな年中もり組のお便りから、かけっこについてお届けします。

 

 

【かけっこーPart1】


今回はかけっこについてお届けします!

すきまの時間で、〝走りたい子〟を自分で決めて走っています。初めの頃は、「1人で走りたい」「負けたく無いから」「1回目は練習で」など、1番でゴールしたいなという気持ちから〝1人〟を選ぶ子もたくさんいました。

1回目走り、「もう1回走ろう」の時は、気持ちも身体もほぐれてから、友達と走っていく子が多くなったりしています。そんな中、クラスでこんなことが話題になりました。

 

《挑戦》


9月29日のAくんのこと。Aくん1回目はBちゃんと走りました。一生懸命走って早かったのはBちゃん。

 

Aくん
やっぱりな。Bちゃんが速いと思ったよ。

 

そして2回目はCくんを選び走りました。

 

先生
どうしてCくんを選んだの?

 

と聞くと、

 

Aくん
だってCくん速そうだから。一緒に走ると自分も速くなるから。

 

実際に走ってみると「速くなった!」とのこと。1回目速いなと思うAちゃんと走ったこと、さらにもう1回速そうなCくんを選び走ったこと。

 

先生
すごいね!かっこいいね!こういうの大人の言葉で〝ちょうせん〟って言うんだよ!

 

子ども達も「うんうん」「やってみるってこと!」と分かった様子。

〝ちょうせん〟ってかっこいいね!今度挑戦してみたいなーの子いる?と聞くと、ちらほら手が挙がっていました。

その後のかけっこでは、「今日はこの子に挑戦!」と思って組んでいく子もいれば、仲良しの子を選んでいく子、挑戦したいなの気持ちもありつつ、いざとなるとやっぱり1人で走りたいの子もいたり。揺れ動いている様子もあります。

そして10月2日。かけっこを終えたところで、

 

Dくん
Eくんと同点だったんだよ!最初はEくんが速かったんだけど、Dが追いついて、同じくらいでゴールだった!

 

先生
おー!そういうことか!それは〝いい勝負〟って言うんだよ!

 

なんて話があり、その後自由の中で遊んでいた、Fくん、Gくん。2人で何度も競いながら「いい勝負だった!」と楽しそうに走っていました♪

 

 

園長先生のつぶやき

え?一人で走る??と思った方。そうなんです。一人で走る、もありなんです。かけっこのラインは、6人並べるように作っています。けれど、6人そろわなくてもいいんです。

「一人で走る」確かに!一人で走れば、負けようがない、どうやっても1番ですね。頭いいな~。

え?それでいいの?と思った方。そうですね、それだけで終わるのも…ですよね。でも、大丈夫。お便りにあったみたいに、だいたいは気持ちがほぐれてくれば、走りたい友達と走り出します。なので、なかののクラスでのかけっこは、何回も走ることがあるんですよ。

今回のA君、すごいですね。速い子と走る。挑戦。かっこいい!でもA君みたいに、速い子と走ろう、とパッと思える子ばかりではないです、もちろん。

確実に勝ちたい気持ちもある。でも、挑戦もかっこいいな~など、いろいろな気持ちの間で揺れることもあります。

 

園長先生
この、「気持ちの揺れ」こそ、気持ち・心が育つのに大事なんだそうです。行ったり来たりしながら、誰にでもない自分で決める。だから、なかのは一緒に走る子は自分で決めるのです!

 

まあ、走る子を決めるのにケンカ勃発!なんてこともありますが、それも含めてかけっこなのです。

 

 

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